邑の映画会 VOL.10
| なまくら刀 |
| 1917年/日本現存最古/4分/35mm |
| 監督:幸内純一(原版所蔵:松本夏樹) |
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なまくらやのばんとうさんから、さむらいさんがこばん4枚で刀をかうようすが、おもしろおかしくえがかれる。 さあ何かきって、とあんまさんに近づくが、くるくるて~んとばされる…。 夏休みフィルムセンターで子どもたちが「これ、動きがおもしろい!」と選んだ。 今から100年も前にこのような映像の発想があったことに驚かされる。 発掘された2本のフィルムを合わせ、修復復元。現存するもっとも古いアニメーション映画であり、内容の完成度の高さは、言うまでもない。 |
| 動絵狐狸達引 |
| 1933年/日本/11分/35mm |
| 監督:大石郁雄 |
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満月の夜。古寺にさむらいに化けたきつねがやってくる。 寺にすみつく子だぬきは、さむらいにあれやこれやといたずらするが、さむらいは子だぬきをさんざんいじめる。 とうちゃんたぬきに助けをもとめるのだが…。 ディズニー漫画を見た若者たちが、日本の漫画映画を作ろうと、取り組んだ時代にこの作品は作られた。 なにしろ歌舞伎、講談、時代劇と西部劇をすべてとりこみ、動きそのものを楽しめる高品質な映画として注目を集めたが、監督は戦争が始まり戦地へ行って帰らなかった。 |
| セロひきのゴーシュ |
| 1963年/日本/19分/35mm |
| 監督:神保まつえ |
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ゴーシュは楽団で、セロをひく。音楽会まであといく日もないのに、どうしてもうまくひくことができない。 「音があっていない!」、「おくれる!」と毎日しかられどおしのゴーシュは、帰ってからも、毎晩練習する。 そこへ、ネコやカッコウ、タヌキやネズミがやって来て・・・。 音楽会で楽団は、ベ―トーヴェン交響曲第6番『田園』をみごとに演奏する。 学研が、今から70年ほど前から、学校や、地域で、アートアニメーションとして映像教育を行っていたころの代表作である。 昭和36年度教育映画祭文部大臣賞 |
| 花折り |
| 1968年/日本/14分/16mm |
| 監督:川本喜八郎 |
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和尚さんに留守中の花の守を言いわたされた小坊主さんは、花見にやってきた大名とおつきの男のたくらみにまんまとひっかかってしまった。 いっしょうけんめいおきょうをとなえまもるのだが、お酒をのみすぎ花を折り取られて…。 おもしろおかしく人形を動かすことで、みごとに壬生狂言の楽しさと明るさを表現した。 日本の文楽や浄瑠璃などの要素を取り入れ世界に誇る人形アニメーションを製作し続けた監督の第一回作品である。 ママイヤ国際アニメーション映画祭銀のペリカン賞 |
| 鬼がくれ山のソバの花 |
| 1979年/日本/23分/35mm |
| 監督:岡本忠成 |
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山から大声がひびきわたると村中が「鬼がソバ食いに来る!」と大騒ぎ。 鬼は村人にソバを作らせたらふく食って、村のソバ粉はなくなった。 「田の神さん 田の神さん どうか山からおくだりなされて 田の神さん 今年の米をばお与え下され 田の神さん」 と、村人は豊作を祈り笛やたいこや三味線にあわせて、歌いおどる。 田や山、川…自然とかかわり助け合って生きてきた日本の暮らしそのものが描かれ、子どもに届けたい傑作作品である。 日本紹介映画コンクール特別賞 |
| ミツバチのささやき |
| スペイン/99分/DCP |
| 監督:ビクトル・エリセ |
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小さな村にトラックに乗って映画がやってきた。上映されたのは「フランケンシュタイン」。
でも六才の少女アナにとって、フランケンシュタインは人造人間ではない。精霊なのだ、、。
スペイン、フランコ独裁政権下での人々の沈黙と希望。子どもと大人とがいっしょに見られる、数少ない最上級の映画である。 1973年サン・セバスチャン国際映画祭金の貝殻賞(グランプリ) |
