邑の映画会 VOL. 8
| 紅葉狩 |
| 1899年/日本/6分/35mm/白黒実写 |
| 撮影:柴田常吉 |
| 日本人が撮影し、現在、残っているもっとも古い映画〈日本の動画 第1号!〉。柴田常吉が、9代目市川團十郎と5代目尾上菊五郎が舞う、歌舞伎「紅葉狩」を撮影したものです。昨年上映したリュミエールの映画もこの映画もワンカットで撮影。今の映画とちょっと違います。2009年、映画としては初めて、国の重要文化財に指定されました。昔の映画ですから、カサカサしたりしますが、そこがまた、フィルムのおもしろさです。 |
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| 漫画 瘤取り |
| 1929年/日本/14分/35mm/染色 |
| 監督:村田安司 |
| 民話「こぶとりじいさん」のお話です。たろべえさんは、正直者で、はたらきもの。じろべえさんは欲張りで、なまけもの。2人のほほにはおおきなこぶがありました。 山の中では、カラスてんぐがお祭りをしています。てんぐにこぶを取られたり、くっつけられたり、くるくるてーん、空にとばされたり・・・。 ピーヒャラ、ドンドン、笛や太鼓に合わせておどる、おじいさん。紙を動かしているとは思えない、切り絵アニメーション。 |
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| 村祭 |
| 1930年/日本/3分/35mm/染色 |
| 監督:大藤信郎 |
| 「むらのちんじゅのかみさまの きょうはたのしいむらまつり ドンドンヒャララドンヒャララ あさからきこえるふえたいこ」。むかしは、あちこちのじんじゃで、みんながあつまって、あさからばんまでおまつりをしていました。うたにのって、たいこやふえのおはやしにあわせて、おたふく、ひょっとこ、しし・・・がおどります。にほんをだいひょうする大藤信郎かんとくのたのしくゆかいな江戸千代紙の、切り絵アニメーション。 |
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| 鳥の誕生 |
| 1972年/カナダ/10分/35mm/カラー |
| 監督:フレデリック・バック |
| カナダに昔からすんでいる、ミックマック族のお話だよ。森の中で遊ぶ子どもたち。シカやウサギやしゅうちょうさんともなかよしだ。お父さんはみずうみでカヌーにのって魚とり。でもね、あらあらしい風の神様が、森をきびしい冬にしてしまう…。 “春よこい!”子どもたちの祈りがとどき、森の神様が、春を呼ぶ。雪はとけ、花がさき、赤や黄色の鳥がとぶ。“春がきた!”。色とりどりの切り紙が動く、切り絵アニメーション。 |
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| 木を植えた男 |
| 1987年/カナダ/30分/35mm/カラー |
| 監督:フレデリック・バック |
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たった一人で、黙々と来る日も来る日も南フランスの木一本生えていない荒地に、どんぐりを埋め続け、緑と水あふれる村をつくった、祈りにみちた男の話です。キラキラ光る太陽と水と花と風の匂い。豊かな森には人々の笑い声、鳥の声…。これが、私たちが望む幸せな暮らしなのだ、と嬉しくなります。パステル画タッチで一枚一枚描かれた柔らかな2万枚の絵が動く、アニメーション。
アヌシー映画祭グランプリ―受賞 |
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| 埋もれ木 |
| 2005年/日本/93分/35mm |
| 監督:小栗康平 |
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山あいの小さな町。そこに住む人々には、それぞれいろいろな物語があります。女子高校生のまちは、女友だちと短い物語を作り、それをリレーして遊びます。大人たちは、過去の物語を語ります。この映画は、登場する人々の思い、記憶、夢や希望といった心の中にあるものを描いています。『「埋もれ木」とは、古代の森が火山噴火によって立木のまま埋もれたものです。この地下にもう一つ、森がある、そう考えるだけで浮き浮きしてきませんか。私たちはもっと自由で、もっとこころ豊かであっていい、と。主人公の女子高校生まちは、そう思ったに違いありません。』(小栗康平)
カンヌ国際映画祭特別上映作品 |